作業環境測定士登録講習(共通科目の「評価の演習」)においては、作業環境評価のために測定値から第一評価値及び第二評価値を求める計算を、関数電卓(統計計算ができるもの。ただし、プログラム機能のあるものは除きます。)を用いて行っています。(電卓の使用方法についての講義は行っておりません。)

つきましては、講習では関数電卓が使え、計算できるものとして講義を進めますので、受講前に次の計算ができるように練習してきてください。

  1. 加減乗除
  2. 自乗及び平方根を求める
  3. 対数及び真数を求める
  4. 幾何平均及び幾何標準偏差を求める

なお、幾何平均、幾何標準偏差など計算が不安な方は、当協会で実施する作業環境測定計算基礎講習Eコース(統計計算)を受講されるようお勧めします。

日本作業環境測定協会 研修センター

幾何平均及び幾何標準偏差の求め方について

以下に、幾何平均及び幾何標準偏差について簡単に説明します。
いま、n個のデータx1、x2、x3、- - - xi、- - - xn があるとします。
このデータの幾何平均をM、幾何標準偏差をsとすると、次のように表すことができます。

幾何平均及び幾何標準偏差の求め方について

関数電卓を用いて幾何平均、幾何標準偏差を求める手順は、おおよそ、以下のとおりです。

  1. 電源を入れ、統計計算ができるモードにする。
  2. 統計計算用メモリをクリアする。
  3. データ x1の常用対数を統計データとして入力する。
  4. 同様に、x2 ~ xn のデータの常用対数を、順次、統計データとして入力する。
  5. データの個数nを確認する。
  6. 平均値を呼び出し、真数に変換して幾何平均とする。
  7. 標準偏差を呼び出し、真数に変換して幾何標準偏差とする。

電卓の具体的なキー操作は、メーカ及び機種により異なりますので、講習でお使いになる電卓の使用説明書等をよく読み、受講の際にお持ち下さい。

以下に数値例を示しますので、実際の計算方法の確認にご利用ください。

問題番号 n データ 幾何平均 幾何標準偏差
1 6 23, 30, 34, 14, 11, 18 20.1 1.55
2 6 16, 21, 24, 9, 7, 12 13.5 1.62
3 9 3.88, 0.36, 0.28, 1.68, 0.68, 0.24, 2.92, 0.12, 0.08 0.525 3.97
4 5 11.0, 9.5, 6.4, 5.0, 4.6 6.88 1.47
6 10 452, 171, 436, 130, 330, 173, 177, 465, 70, 127 212.0 1.91

表2 評価値の計算に使う機能

評価値を求める際は次の操作を行います。ご使用になる電卓で計算する場合のキー操作を記入してご利用ください。受講時にお持ちになることをお勧めします。

電卓のメーカ及び機種名( ) キー操作
1) 電源を入れる
2) 統計計算モードへの切替と表示  
3) 統計メモリのクリア  
4) 加減乗除  
5) 自乗を求める  
6) 平方根を求める  
7) 対数(常用対数 log X)を求める  
8) 真数(10X)を求める  
9) 数値の対数を統計データとして入力する方法  
10) 入力した統計データの個数を呼び出す方法  
11) 入力した統計データの平均値を呼び出す方法
呼び出した平均値を真数に変換する方法
 
12) 入力した統計データの標準偏差を呼び出す方法
呼び出した標準偏差を真数に変換する方法