計算基礎講習Eコースでは、以下の1)~4)のとおり作業環境評価等に必要な計算の意義について解説し、計算方法に習熟できるよう講習をおこないます。登録講習では、この計算を関数電卓の統計計算機能を用いて演習することになっています。この計算基礎講習Eコースでは、登録講習における演習を適切に行うことができるように計算の基礎から解説し、統計計算機能を有する関数電卓を使用して計算演習をおこないます。Eコースでは受講人数を絞って少人数の講習としておりますので、受講生からの個別の質問にも丁寧に答えられるよう配慮しております。
作業環境評価においては、統計学・推計学に基づいて様々な計算が必要となりますが、通常その計算は習熟するまでは複雑に感じられ、定められた計算過程で正しい答えを導けるようになるまでは時間がかかります。Eコースでは、このような計算の方法をわかりやすく解説し、計算の統計学的背景を含めて理解できるように講習を進めます。講習の中では、豊富な計算例にあたることにより自然に評価の計算ができるように工夫しております。
作業環境評価のためには、A測定における個々の測定値から幾何平均・幾何標準偏差を求める必要があります。幾何平均値・幾何標準偏差値は、作業環境測定の結果報告に記載する必要がありますが、これらの値は、測定結果の評価のために必要となる第一評価値、第二評価値を求める計算において必要となります。従って、幾何平均・幾何標準偏差の計算は評価の計算の入り口ともなる重要なステップです。Eコースでは、幾何平均・幾何標準偏差の統計学的背景と計算方法を解説します。
作業環境評価における管理区分の決定のためには、A測定の測定値を用いて、これを測定対象物質に与えられている基準値(管理濃度)と比較することにより第一評価値・第二評価値を算出する必要があります。Eコースではこれらの計算の方法を解説し、混合有機溶剤などさまざまな場面における評価値の計算ができるよう講習を進めます。講習の過程では、作業環境評価に関係する統計学・推計学の基礎についても解説します。
作業環境評価においては、計算で求めた第一評価値・第二評価値から測定対象単位作業場所の管理区分を決定する必要があります。Eコースでは、管理区分決定の方法とその背景について解説します。
以下に、幾何平均及び幾何標準偏差について簡単に説明します。いま、n個のデータx1、x2、x3、- - - xi、- - - xn があるとします。このデータの幾何平均をM、幾何標準偏差をsとすると、次のように表すことができます。
関数電卓を用いて幾何平均、幾何標準偏差を求める手順は、おおよそ、以下のとおりです。
電卓の具体的なキー操作は、メーカ及び機種により異なりますので、講習でお使いになる電卓の使用説明書等をよく読み、受講の際にお持ち下さい。
以下に数値例を示しますので、実際の計算方法の確認にご利用ください。
評価値を求める際は次の操作を行います。ご使用になる電卓で計算する場合のキー操作を記入してご利用ください。受講時にお持ちになることをお勧めします。