作業環境測定に関する法律としては、昭和47(1972)年6月に制定された「労働安全衛生法」と昭和50(1975)年5月に制定された「作業環境測定法」があります。

労働安全衛生法

労働安全衛生法は、労働災害防止のための危害防止基準の確立、事業場における安全衛生責任体制の明確化安全衛生に関する事業者の自主的活動の促進の措置を講ずるなど、労働災害の防止に関する総合的、計画的な対策を推進することにより、職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な作業環境の形成を促進することを目的として、制定されたものです

作業環境測定法

作業環境測定法は、労働安全衛生法と相まって、作業環境の測定に関し作業環境測定士の資格および作業環境測定機関等について必要な事項を定めることにより、適正な作業環境を確保し、もって職場における労働者の健康を保持することを目的として、制定されたものです

以下に、主だったものを挙げてみます。

作業環境測定法(抄) 昭和50年法律第28号 抜粋

日本作業環境測定協会

第36条
  1. 作業環境測定士及び作業環境測定機関は、全国を通じて一つの日本作業環境測定協会と称する民法第34条の規定による法人を設立することができる。
  2. 日本作業環境測定協会は、作業環境測定士の品位の保持並びに作業環境測定士及び作業環境測定機関の業務の進歩改善に資するため、会員の指導及び連絡に関する事務を行うことを目的とする。

労働安全衛生法(抄) 昭和47年法律第57号 抜粋

作業環境測定

第65条
  1. 事業者は、有害な業務を行う屋内作業場その他の事業場で、政令で定めるものについて、労働省令で定めるところにより、必要な作業環境測定を行い、及びその結果を記録しておかなければならない。
  2. 前項の規定による作業環境測定は、労働大臣の定める作業環境測定基準に従って行わなければならない。
  3. 労働大臣は、第1項の規定による作業環境測定の適切かつ有効な実施を図るため必要な作業環境測定指針を公表するものとする。
  4. 労働大臣は、前項の作業環境測定指針を公表した場合において必要があると認められるときは、事業者若しくは作業環境測定機関又はこれらの団体に対し、当該作業環境測定指針に関し必要な指導等を行うことができる。
  5. 都道府県労働基準局長は、作業環境の改善により労働者の健康を保持する必要があると認められるときは、労働衛生指導医の意見に基づき、労働省令で定めるところにより、事業者に対し、作業環境測定の実施その他必要な事項を指示することができる。

労働安全衛生法施行令(抄) 昭和47年政令第318号 抜粋

作業環境測定を行うべき作業場

第21条

法第65条第1項の政令で定める作業場は、次のとおりとする

  1. 土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場で、厚生労働省令でさだめるもの
  2. 暑熱、寒冷又は多湿の屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの
  3. 著しい騒音を発する屋内作業場で、厚生労働省令に定めるもの
  4. 坑内の作業場で、厚生労働省令で定めるもの
  5. 中央管理方式の空気調和設備(空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給することができる設備をいう。)を設けている建築物の室で、事務所の用に供されるもの
  6. 別表第2に掲げる放射線業務を行う作業場で、厚生労働省令で定めるもの
  7. 別表第3第1号若しくは第2号に掲げる特定化学物質等を製造し、若しくは取り扱う屋内作業場又はコークス炉上において若しくはコークス炉に接してコークス製造の作業を行う場合の当該作業場
  8. 別表第4第1号から第8号まで、第10号又は第16号に掲げる鉛業務(遠隔操作によって行う隔離室におけるものを除く。)を行う屋内作業場
  9. 別表第6に掲げる酸素欠乏危険場所において作業を行う場合の該当作業場
  10. 別表第6の2に掲げる有機溶剤を製造し、又は取り扱う業務で厚生労働省令で定めるものを行う屋内作業場