作業環境測定に必要な次の計算について、その意義と計算方法を講義します。

1)化学の基礎と捕集率の計算

受講者のレベルに応じて、作業環境測定に必要なモルの概念等の化学の基礎を簡単に講義します。また、液体捕集方法においては、小型ガス吸収管等の捕集器具を二連で連結し、それぞれの捕集量から捕集率を計算して、実際の捕集量を求めます。この捕集率の計算について講義します。

2)標準試料の濃度の計算

作業環境測定では、粒子状物質の管理濃度はmg/m3の単位で表されていますが、ガス状物質はppmで表されています。したがって、測定結果を最終的にはこれらの単位で表す必要がありますが、実際の測定操作の過程では、ガス状物質もmg/m3の単位で示されることが多く、相互の単位の換算が必要です。これらに関係する濃度の計算について説明します。

3)前処理操作に伴う濃度計算および検量線からの未知試料の濃度計算

化学分析においては、測定対象物質を選択的に測定するため、抽出、吸着脱着等の操作を行って精製します。この精製操作に伴う容量変化に従って、対象物質の濃度計算を正確に行う必要があります。また、ほとんどの化学分析においては、まえもって検量線を作成し、未知試料の表示値やブランク値から濃度を計算します。これらの計算について説明します。
また、ほとんどの化学分析においては、まえもって検量線を作成し、未知試料の表示値やブランク値から濃度を計算します。この計算について説明します。

4)定量下限に関する計算

作業環境測定では、測定対象物質を精度よく測定する必要があります。対象物質の気中濃度は、分析により得られた対象物質の絶対量を捕集空気量で除して得られますので、捕集すべき試料空気量は、分析方法の定量下限によって決まります。定量下限と捕集空気量との関係を説明します。